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市街化調整区域の土地は相続放棄すべき?活用?売却?失敗を防ぐ4つの鍵

市街化調整区域の土地は相続放棄すべき?活用?売却?失敗を防ぐ4つの鍵 その他

「市街化調整区域の土地を相続したけれど、どうすればいいの?」と悩む方へ。

このように、売却も活用も簡単ではない市街化調整区域の土地の相続失敗しないためには、4つの鍵を押さえることが重要です。

本記事では市街化調整区域の特徴、4つの鍵について詳しく解説します。

内容をサクッと2分程度の動画で見たい方はこちらから↑

市街化調整区域の土地を相続する際、失敗を防ぐ4つの鍵とは?

「市街化調整区域の土地を相続した」「これから市街化調整区域の土地を相続するかもしれない」という方は、『市街化調整区域』というフレーズだけで、何となく不安になっているかもしれません。

しかし、市街化調整区域の土地相続で失敗しないためには、4つの鍵があります。

  • 失敗を防ぐ鍵①市街化調整区域とは?
  • 失敗を防ぐ鍵②相続放棄とは?基本の仕組みと手続き
  • 失敗を防ぐ鍵③市街化調整区域の土地を売却する時の注意点
  • 失敗を防ぐ鍵④市街化調整区域を有効活用する方法

この4つを押さえておけば、ご自身の状況に合った選択ができるでしょう。

失敗を防ぐ鍵①市街化調整区域とは?

市街化調整区域とは、都市の無秩序な開発を防ぐために指定されたエリアです。
そのため、建築や土地利用に厳しい規制があります。

一方、市街化区域は、都市開発が進んでいるため、比較的自由に建築や開発が可能です。

この違いにより、市街化調整区域の土地を相続した場合、市外化区域の土地に比べて売却や活用の選択肢が大きく制限される可能性があります

「市街化区域」との違いと基本的な制限

市街化調整区域では、新たに建築物を建てる場合、都道府県知事等の許可が必要です。
例外として「分家住宅」や「既存宅地」などであれば許可が受けられます。

許可を得るためには、都市計画法第34条に規定された条件を満たす必要があります。
また、申請して必ず認められる、というものでもありません。

そして、自己の居住用住宅を建てる場合であっても、「市街化調整区域決定前から住んでいる世帯の子・孫」「他に利用可能な土地が無いか」、周辺環境への影響、などの要件を総合的に審査されます。

許可が得られないと建物を建てられず、土地の有効活用が制限されてしまいます。

調整区域における建築許可の仕組み

建築許可「既存宅地」「分家住宅」の要件を満たす場合に認められます。

また、許可申請時にはインフラ、排水、周辺住民への影響など総合的な審査が行われるため、
条件をクリアするハードルは高いと言えます。

もしも、許可が受けられなかった場合は建築ができないので、土地を取得して許可申請に失敗すると、
活用できない土地を持ち続けることとなります。

市街化調整区域が抱えるインフラ・生活面の課題

市街化調整区域では、都市開発を抑制する方針からインフラ整備が後回しになりがちです。
下水道や道路が未整備の地域も多く、公共交通機関の利便性も低いケースがあります。

こうした状況は、実際に住むとなると不便を感じる原因になり、引っ越し先として候補に挙がりにくいです。
その結果、需要が少ない土地として長期間売れ残ることも考えられます。

公共サービス・インフラ整備が遅れやすい理由

道路や上下水道の敷設が遅れ、ゴミ収集や防災設備が十分に整わない地域もあります。

こうした要因により、生活する上でのハードルが高く、人口が増えにくいのが現状です。

自治体の予算や政策の優先順位によっては、何十年も改善が見込めない場合もあります

バス路線・買い物環境など生活利便性のデメリット

市街化調整区域は、公共交通機関の路線が限られていることが珍しくありません。
バス停まで遠い、運行本数が少ないなど、日常の移動が不便に感じるケースが多いです。
さらに、スーパーや病院が近くにない場合は車が必須となり、高齢者の暮らしには不向きな環境となるでしょう。

このような生活利便性の悪さは、活用や売却が難しい要因のひとつになりがちです。

固定資産税・都市計画税の考え方

市街化調整区域の土地は、市街化区域に比べて固定資産税が低い傾向にあります。

エリアや地目によって異なりますが、地価が安いことが主な理由です。
また、市街化調整区域は都市計画税(通常、評価額の0.3%)が課されません

税金が安いことはメリットです。しかし、それだけ評価額が低い=需要が低い、ということも意識しておきましょう。

調整区域と評価額の関係

市街化調整区域の土地は、需要が少ないことから路線価や公示価格が低めに設定されることが多いです。

このように、市街化調整区域の土地は固定資産税評価額が抑えられやすいです。
一方、活用や売却を想定しているなら資産価値があまり高くないに注意しましょう。

維持管理コストが将来に与える影響

固定資産税が安くても、土地を所有する限り管理の手間や費用はゼロになりません

雑草の処理や不法投棄対策など、放置すると周囲に迷惑をかける可能性があります

遠方に住んでいると、定期的に足を運ぶ必要があり、交通費や時間も負担となります。

こうしたコストが積み重なると、売却を検討するタイミングが早まるかもしれません

市街化調整区域の土地を相続して、陥りやすいトラブル

市街化調整区域の土地を相続すると、想定外の問題に直面するかもしれません。
よく起こる問題は次のとおりです。

  • 売りたくなってもなかなか買い手がつかない
  • 農地であれば耕作する労力が大きい
  • 放置していると管理責任を問われる恐れがある

このように、売りづらさや維持管理コストなど、複数の要素が絡み合うため、対策を怠ると金銭的リスクだけでなく近隣との摩擦も生じかねません。

自分が相続した(これから相続する)市街化調整区域の土地とはどんな土地か
早めに情報収集を行い、専門家と連携することでトラブルを避けられるかもしれません。

売却の難しさと買い手がつきにくい背景

市街化調整区域の土地は原則、建築・開発行為が禁止されています。

そのため、買い手にとって魅力が低く、安値で買い叩かれることも珍しくありません。

需要が限定的な分、売り出し期間が長期化してしまいます。
そのため、売却プランを思うように進められないリスクがあります。

一方、例外的に分家住宅や近隣住民のための店舗や公共施設(病院、社会福祉施設、学校等)は許可を受けて建てられますが、許可手続きにかかる時間・費用が大きく、施工会社などにもリスクが高い物件と言えます。

結果として価格交渉で不利になりやすく、希望金額で売れないことも多いでしょう。

市街化調整区域の土地売却を考えている場合は売却前に自治体の規制を調べましょう。
そして、制限内容を正確に把握することをおすすめします。

農地の転用は条件が厳しい

市街化調整区域内の農地は、転用許可が下りなければ宅地として活用できません

農地転用の許可を得るには、農地法の要件を満たす必要があります。
特に市街化調整区域の農地は、農地転用の条件が厳しく設定されています。
たとえば名古屋市では、下記の条件が必要としています。

立地基準の概要

  1. 農用地区域内にある農地
    農業振興地域の整備に関する法律に基づく農業振興地域整備計画において農用地として利用すべき土地として定められた区域内にある農地のことです。
    原則不許可。
    ただし土地収用法第26条第1項の規定による告示があった事業及び一時転用の場合は許可となります。
  2. 甲種農地
    高性能農業機械による営農に適した農地及び土地改良事業完了後8年未満の農地のことです。
    原則不許可。
    ただし公共性の強い事業に供する場合等は許可となります。
  3. 第1種農地
    集団的に存在する農地その他良好な営農条件を備えている農地のことです。
    原則不許可。
    ただし公共性の強い事業に供する場合等は許可となります。
  4. 第2種農地
    市街地等に近接する区域、その他市街地化の見込まれる区域内にある農地のことです。
    周辺の他の土地により事業が達成できない場合は許可となります。
  5. 第3種農地
    市街地の区域内又は市街化の傾向が著しい区域内にある農地のことです。
    原則許可となります。

一般基準の概要

立地基準に適合する場合でも、次のいずれかに該当する場合は、許可されません。

  1. 農地を転用して、その用途に供することが確実でない場合
  2. 申請する農地の面積が、事業の目的からみて適正でない場合
  3. 周辺農地の営農条件に支障を及ぼすおそれがある場合
  4. 地域計画における農地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがある場合
  5. 一時転用の場合、その農地が農地として利用できる状態に回復されることが確実でないとき
引用:市街化調整区域の農地転用について(農地法第4条、同法第5条)名古屋市HP 農業委員会事務局 農政課より


他の市町村にも転用に関するルールはありますが、概ね同様です。

立地条件、一般基準を両方クリアした上で、資金計画や転用計画なども審査されます。

市街化調整区域の農地を相続する場合には、立地条件市町村役場の農業委員会で確認しましょう。
もしも農業振興地域内農用地、第一種農地などであれば転用できないものとして、自分で耕作する、JAなどで農家を紹介してもらい営農を依頼する、といった方針を検討しましょう。

放置リスクと管理責任

市街化調整区域の土地は、活用先が見つかりにくく、放置されがちです。

しかし、雑草や不法投棄などが発生すると近隣住民との摩擦につながります。

管理を怠れば損害賠償リスクも生まれ、結果的にトラブルが深刻化することがあります。
長期間放置すれば資産価値が下がり、相続人にとっては負担ばかりが増える状況に陥ってしまいます。

そうならないためにも、相続する際に今後の方針をしっかりと考えておきましょう。

失敗を防ぐ鍵②相続放棄とは?基本の仕組みと手続き

相続放棄とは、亡くなった方の財産や負債を一切受け継がない手続きです。

「農地を相続したくない」「亡くなった父には借金の方が多い」などの状況であれば、
相続放棄も一つの選択肢です。
ただし、一旦相続放棄すると撤回できずプラスの財産があっても受け取れません
検討する際は、法律効果、手続き期限などを正確に理解しておくことが重要です。

相続放棄の全体の流れ

相続放棄を行うには、家庭裁判所に申述書を提出して申し立てる必要があります。

受理されると、その時点で相続に関する一切の権利と義務を放棄したことになります。
そして、借金の返済義務なども負債もすべて免れます。

ただし、相続開始を知った日から3ヵ月以内に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。

具体的な流れは次のとおりです。

家庭裁判所への申述手順

相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ行います。

申述書と戸籍謄本など、必要書類を揃えて提出します。
申立は家庭裁判所への直接提出だけでなく、郵送での提出も可能です。
ただし、3ヶ月ギリギリの申立てや、手続きに不慣れな場合は直接提出が良いでしょう。

家庭裁判所は相続放棄の申述を受け付けると内容を審理し、本人が相続放棄を申し立てたことを確認するために照会書を申立人の住所地へ送付します。
申立人が照会書を返送すれば、基本的には相続放棄申立書が受理されます。

問題がなく手続きが終われば家庭裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が交付され、相続放棄が
正式に受理されたことを確認できます。

クレジットカード会社などの債権者に相続放棄を伝える際には、相続放棄申述受理通知書に記載の
家事事件番号を伝えるか、家庭裁判所に「相続放棄申述受理『証明書』」を取得して提出しましょう。

「相続放棄申述受理通知書」は再発行できないので、原本は大切に保管しておきましょう。

熟慮期間(3ヵ月)と延長申請

相続の開始を知ってから3ヵ月経過すると、相続放棄をしていない限りは相続を承認したとされます

ただし、財産内容の調査に時間がかかるなど合理的な理由があれば、家庭裁判所に熟慮期間の延長を
申し立てることができます。

延長が認められるかどうかは裁判所の判断なので、できる限り3ヶ月以内に申立を完了させましょう。

また、熟慮期間を過ぎてから相続放棄を申し立ても、特別な事情がない限りは認められません

迷いがある場合でも、なるべく早く情報収集と手続きを進める姿勢が大切です。

相続放棄の原則:一度放棄したら撤回不可

相続放棄は、一度認められると撤回できない非常に重い決断です。

後でプラスの財産が見つかっても、すでに放棄した場合は一切受け取ることができません

部分放棄はできない点に注意

相続放棄には「すべての財産を放棄する」という法律行為です。

そのため、マイナス財産を放棄して、プラスの財産だけを抜き出して相続することはできません
一部だけ相続したいと考えていても、法律上は認められず、必ず全体を対象とした放棄となります。
※「プラスの財産の範囲内でのみ相続する」、限定承認という手続きもありますが、相続人全員で申し立てる手続きであり、必ず弁護士など専門家に相談してください
参照:相続の限定承認の申述 裁判所HPより

大きな利益が見込める財産がある場合は、その価値も同時に捨てる覚悟が求められます。

後順位相続人に移る仕組み

先順位の相続人が全員放棄すると、後順位の相続人に相続権が移ります。
予期せず相続を押し付けられる形になる後順位の人がいると、トラブルの原因になりかねません。

市街化調整区域の土地があるからと相続放棄を考えている方は、事前に親族間で話し合い、負担や手続きをどのように扱うか情報共有をしておくのが望ましいでしょう。

相続放棄後の管理義務と残る可能性

相続放棄をすると、対象の財産を一切管理する義務がなくなります。

ただし、共有名義だった不動産の場合、放棄後でも法律関係が複雑になる場合があります。
例えば、他の共有者が引き続き利用する場合に、放棄した人が何らかの書類手続きを手伝わなければならないこともあるのです。
不動産の処分や管理費用の負担など、トラブル回避のためには事前の合意形成が重要です。

共有名義でのトラブル事例

相続人の一部が放棄し、残った人が相続を承認した形になると、共有状態が形成される場合があります。
共有名義の不動産は、全員の同意がないと売却や大規模改修ができないため、一人でも反対すれば進展しません。
放棄した人からすれば関与を避けたいのに、手続き上の書類で名前が必要になるなど、厄介な状況に陥ることがあります。
こうした事態を未然に防ぐには、共有持分の整理や専門家の仲介が役立ちます。

「相続人不存在」になった場合の処理

すべての相続人が放棄すると相続人不存在の状態が生じます。
この場合、家庭裁判所は相続財産管理人を選任し、残された財産の処理を進めることになります。
土地や建物が売れなければ、管理人への報酬や維持費が発生するなど、事態が長引くほど費用がかさむリスクがあります。
誰も引き取り手がない不動産は最終的に国庫に帰属します。

例外として、共有不動産は共有者が取得することとなります。

相続放棄のメリット・デメリットを深掘り

相続放棄は、マイナス財産から解放される一方で、プラスの資産も同時に失う大きな決断になります。

特に市街化調整区域の土地が相続財産の場合、売却のハードルが高いため、放棄が有力な選択肢に思えるかもしれません。
しかし、他に遺産が出てきたり、後から思わぬ負債が見つかることもあります。

相続放棄はメリットとデメリットを正確に把握した上で行うことが大切です。

【メリット】負債や維持費から解放される

相続放棄の最大のメリットは、借金や土地の管理責任を免れる点です。

市街化調整区域の土地は固定資産税や草刈りなどのメンテナンス費用が長期にわたって発生しやすく、負担が大きくなることがあります。
売却も簡単には進まないため、保有し続けると赤字だけが膨らむリスクが高まります。
相続放棄を選択すれば、こうした出費や労力から解放されるため、経済的な不安を減らせるでしょう。

管理コスト・固定資産税の回避

市街化調整区域でも、一定の税金や管理コストは必ず発生します。
特に、遠方に住んでいて定期的に土地を見回りできない場合、雑草や不法投棄への対応に費用や手間がかかります。

相続放棄をすれば、これらのコストをすべてカットでき、家計への影響を抑えられます。
逆に、保有を続ける場合は長期的な費用負担を総合的に試算しなければなりません。

不動産が売れないリスクへの対処

市街化調整区域の土地は、長く売りに出されているケースが珍しくありません。
実際に売れるまでの間、固定資産税などを払い続けなければならず、負担がかさみます。

その上、売却時には仲介手数料や譲渡所得税などの支払いも必要になります。
こうした先行きの見えない状態を回避するために、相続放棄という選択も考えられます。

【デメリット】プラス財産も放棄&後からの撤回不可

相続放棄をすると、相続対象である財産のすべてを放棄することになります。

預貯金や有価証券などのプラス資産がある場合でも、相続できないのがデメリットです。

更に、相続放棄は撤回でないので、後から財産が見つかっても相続できません。

そのため情報が不十分なまま相続放棄すると、思わぬトラブルに発展するかもしれません。

他の財産まで放棄しなければならないリスク

「借金だけ放棄して現金や株式は相続する」というような部分的な放棄はできません。
そのため、債務や市街化調整区域の土地だけを判断基準に、相続放棄をしてしまうと、大きな損失になるかもしれません。

後で予想以上のプラス財産が出てくることもあり、熟慮期間内の情報収集が重要です。

特に土地以外にも財産がありそうな場合は、専門家に相談することが望ましいです。

相続放棄を選ぶ家族間のトラブル

相続放棄は個人の判断で行えますが、他の相続人に大なり小なりの影響があります。
そのため、コミュニケーションを欠いていると家族関係が悪化するかもしれません。

相続した人は管理や売却の責任を引き受け、不公平感を抱く可能性があります。

共有名義の不動産がある場合も、放棄した人と残った人との意思疎通が難しくなり、手続きがスムーズに進まないことがあります。

事前に十分なコミュニケーションを取ることが、トラブル防止のカギと言えるでしょう。

市街化調整区域特有の判断材料

市街化調整区域の土地は、売却が難しいため、相続放棄を考える人が少なくありません。
ただし、行政の見直しやインフラ整備の計画によっては将来的に価値が上昇する可能性もあります。

短期的にはマイナスでも、長期保有すれば見返りが得られる例もあります。

市街化調整区域の土地だからと、性急な決断は避けるべきです。
専門家と協力しながら、活用の余地を慎重に検討し、あらゆる面から判断しましょう。

農地の耕作義務・転用不可で負担が大きい場合

農地を相続すると、農地所有者として肥培管理(耕作する)の義務を負います。
しかし、耕作が大変で、途中で営農を諦めてしまう方も多く存在します。

そういった、自分での耕作が難しい場合の対策は2つです。

  • 農地を他の農家に耕作してもらう(賃貸、売却)
    ※農地法第3条の許可が必要
  • 農地を農地以外に転用する(自己転用、他者転用)
    ※農地法第4条か第5条の許可が必要

他の農家に耕作してもらう対策は、耕作してくれる農家が見つかるかがネックです。
ただ、直接知り合いがいなくてもJAや市の農業委員会には紹介制度もあるので利用してみましょう。

転用に関しては、立地基準・転用計画など具体的なプランが必要です。
「相続したから転用しよう」という方針で後から「何か転用できる理由はないか」と探すと、
順序が逆になり、かなり難航するでしょう。

転用を考えているのであれば農業委員会で立地基準(上記の名古屋市の基準にある第1種農地など)を
調べ、第2・3種農地であれば転用(駐車場や建物建築)のニーズがあるか不動産屋に相談しましょう

第1種農地以上の優良農地だと、現実的には転用が難しいです。
そのため、農家への貸し出しを検討しましょう。
ただし、公共性の高い事業(都市ガスの整圧器(ガバナ)設置、病院・福祉施設の建設等)であれば
転用可能ということも覚えておきましょう。

耕作放棄地にするリスク

農地を相続したものの、「取り敢えずは数年してから考えよう」はNGです。

なぜなら、農地を数年放置してしまうと草木が生えて「耕作放棄地」になってしまうからです。

耕作放棄地にしてしまうリスクは次の3点です。

  • 農地に戻すのが大変:草木の伐採・伐根を行い、田畑に戻すために莫大な費用がかかる
  • 農地として貸し出せない:農地法第3条で許可を受けて農地を農地として賃貸・売却するには、
    「現在営農している農地」であることが条件のため、耕作放棄地では農家に貸し出しができません
  • 固定資産税が上がる:耕作放棄地だと判断されると固定資産税の課税地目が「雑種地」に変わり、数百円だった固定資産税が数万円に高騰するケースもあります

農地に関しては「何もしない」、という選択は最悪の選択といえます。

相続して現在耕作できないのであれば、数年後に耕作できるようになりますか?
現実にはほとんどの方が難しいですよね。

そうであれば、相続放棄をする農家に貸すという選択肢を検討してはいかがでしょう?
賃料がもらえなくても、耕作放棄地になるリスクよりは良いハズです。

評価額と実勢価格の乖離が激しいケース

市街化調整区域の土地は、固定資産税評価額や相続税評価額がある程度高めに設定されていても、
実際に売るとなると市場価格は低くなる傾向があります。

結果的に、保有するメリットがほとんどないと判断されれば、相続放棄を選ぶのも選択肢の一つです。
評価額と実勢価格のギャップを把握した上で、対応策を検討する必要があります。

失敗を防ぐ鍵③市街化調整区域の土地を売却する時の注意点

市街化調整区域の土地を売却する場合、農地転用の可否を確認する必要があります。
需要が限られるため、売却までに時間とコストがかかりやすい点を考慮しましょう。
専門家のサポートを活用し、効率的な販売戦略を立てることが重要です。

売却を検討する前に知っておくべき手続き

建物を建てられるかどうか、農地を転用できるかなど、事前の調査が欠かせません。

市街化調整区域に関する規制は自治体によって異なり、役所への問い合わせや情報収集が重要です。

また、複数の相続人がいる場合は遺産分割協議も重要です。
誰がどのように土地を取得するか合意しておかないと、売却に入ることができません。

最初にこうした基礎を押さえておくことで、後々のトラブルを大幅に減らせるでしょう。

建築許可・農地転用の可否調査

売却前に、土地が建築許可を得られる状況かどうかを見極める必要があります。
建物の用途や規模によっては許可が一切下りない場合もあるので、早期に自治体に確認するのが賢明です。
もし農地であれば、農業委員会の許可を得るための申請手続きが追加で求められます。
特に、優良農地に該当する地域だと転用が難しく、そのまま農地として売るか、利用者を探すしかないケースもあるため注意が必要です。

権利関係(共有者・抵当権など)の確認

売却をスムーズに進めるには、登記内容や抵当権の有無を調べておくことが大事です。
相続によって共有名義になっている場合は、全員の同意を得る必要があります。
そのため、意見が食い違うと手続きが滞るリスクが高まります。
また、残っているローンや担保が設定されているときは、金融機関との調整も必要です。
あらかじめ司法書士に相談し、売却時の手続きを円滑に進められるよう準備しましょう。

市街化調整区域が売却しづらい理由

用途が限定される市街化調整区域は、買い手が少な価格交渉で不利になりがちです。
さらに、建物を建てられない場合や、転用に厳しい制約が伴う地域では、購入希望者が見つかりにくいこともあります。
買い手のニーズに合わせて土地の利用計画を提示できないと、交渉が長期化したり、値下げを余儀なくされたりする可能性が高いです。
売却活動に入る前に、想定される難点を洗い出し、対策を整えておくことが大切です。

用途制限と需要の限られた市場

市街化調整区域の最大のネックは、自由に建築や開発ができないことです。
そのため、購入する人「現在の用途で問題なく利用できる」「転用許可を得られる見込みがある」ケースに限られます

需要が限られる以上、売り出してから実際に成約するまで時間がかかるでしょう。
市場自体が小規模なので、集客方法や宣伝の仕方にも工夫を凝らす必要があります。

不動産会社選びのポイント(実績・ノウハウ)

市街化調整区域の売却に慣れている不動産会社は、転用手続きや建築許可の専門知識を持っています
一方、実績の少ない業者に依頼すると、物件のアピールポイントをうまく説明できなかったり、
行政手続きをサポートしきれなかったりする場合があります。

地元での実績を確認し、具体的な売却方針を尋ねることが大切です。
複数社に声をかけて比較検討することで、最適なパートナーを見つけられるでしょう。

また、知り合いの業者がいない場合などは、買取業者に依頼するのも良いでしょう。
彼らは無接道地、再建築不可物件、市街化調整区域の土地など訳あり物件の取り扱い実績も多く、
買取後の再販スキームを持っています。
そのため、適正な価格で買取してくれるでしょう。

スムーズに売るための準備と流れ

売却を成功させるには、土地の特徴を正確に把握し、適切な価格設定が欠かせません。
市街化調整区域の場合、建築や転用の可否を具体的に提示できると、買い手の判断を助ける材料になります。
一方、条件が厳しい場合は、思い切った値下げや限定的な提案が必要かもしれません。
事前に想定シナリオを立てておくと、スムーズに交渉を進めることができるでしょう。

失敗を防ぐ鍵④市街化調整区域を有効活用する方法

市街化調整区域の土地を手放さずに活用したい場合は法規調査をしておきましょう。

その上で、駐車場や資材置き場などの小規模活用から、区域見直しを視野に入れた長期的な計画まで
あらゆる方向から検討しましょう。

リスクとリターンを見極めながら、最適な活用プランを立案することが重要です。

小規模活用:駐車場・資材置き場など

建物を新築できなくても、駐車場や資材置き場として活用できるケースもあります。
こうした形態なら大掛かりな許可が不要で、初期投資が比較的少なくて済みます。

駐車場は大きな建築工事が不要なため、役所の届出だけで済むケースがあります。
資材置き場はフェンス設置など軽微な工事で済み、制限が緩やかなことが魅力です。

また、地盤の改良や排水設備を整える必要がなければ、初期費用を抑えられます。
短期間で撤退しやすいので、将来的に別の活用を検討する際のハードルも低いです。

しかし、コツコツと安定収入を得られる点は魅力的です。
資材置き場にする場合は、周囲に工事関連企業や運送業者があると需要が見込めるため、立地をしっかり見極めると収益拡大が期待できるでしょう。

中長期活用:土地信託・太陽光発電など

小規模活用よりも大きなリターンを期待したいなら、太陽光発電が検討候補になります。

太陽光発電は、日射量が十分ある地域であれば安定した収益が期待できる手段です。

しかし、市街化調整区域では設備を設置するために許可が必要な場合があります。
各市町村で確認し、行政書士などの専門家に相談しましょう。。

また、パネルの設置費用やメンテナンス費用がかかるため、導入時に初期投資を回収できるかどうかを試算することが不可欠です。
再生可能エネルギーの買取価格が変動するリスクも考慮し、慎重に計画しましょう。

区域見直しや将来の都市計画を視野に入れる

市街化調整区域は、行政の判断によって市街化区域に編入される可能性があります。

もし今後の区域見直しが期待できるなら、建築や開発の制限が大幅に緩和される見込みがあるため、
長期的な保有にもメリットがあります。
ただし、見直しが行われる時期や地域については、情報収集とリスク管理が重要になります。

市区町村の都市計画に関する資料をこまめにチェックしてみましょう。
「マスタープラン 〇〇市」で検索すると、市の都市計画方針がヒットします。

将来性があるなら売却を急がずに待つという選択肢も検討してみましょう。

まとめ

市街化調整区域の土地は、建築規制が厳しく、農地転用もハードルが高いです。
また、相続しても売却や活用が簡単ではありません。

相続放棄をすれば負債や管理責任を免れますが、他の財産まで諦めることになります。

市街化調整区域の土地を相続することになった場合は、専門家のアドバイスを受けながら、
保有・売却・放棄のいずれを選ぶか慎重に判断することが肝心です。

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本記事では、市街化調整区域の土地における相続や売却の難しさを中心に解説しました。

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