市街化調整区域は「買わない方がいい?」その理由と対策を徹底解説

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市街化調整区域は「買わない方がいい?」その理由と対策を徹底解説

市街化調整区域の土地は相場より安い一方で、建築制限やインフラ未整備など「買わない方がいい」と言われることもあります。

本記事では、市街化調整区域の概要から、市街化調整区域の不動産は本当に買わない方がいいのか、メリットデメリット購入時の注意点までを徹底解説します。

最後まで読めば「なぜ価格が安いのか?」「どんなところに注意すべきか?」がわかり、失敗や後悔を避けるお手伝いができるはずです。

市街化調整区域とは何か?

市街化調整区域は都市計画法により「都市の無秩序な拡大を抑制する」ことを目的としたエリアです。そのため、原則新たな建築は許可制で、農林業や自然環境を守るための規制が多く設けられています。

市街化区域との違い

市街化区域はインフラが整備され、建築しやすい環境が整ったエリアです。

一方、市街化調整区域は開発を抑制するため、建築や再開発が自由にできません

その結果、土地の資産価値が低くなりやすい点が、大きな違いの1つです。

市街化調整区域は「買わない方がいい」と言われる理由は5つ

「市街化調整区域の不動産を買わない方がいい」と言われる理由は、主に次の5つです。

  • 建築制限が厳しい
  • 再建築不可の場合が多い
  • インフラ整備の遅れ
  • 資産価値が低い傾向にある
  • 住宅ローン審査が厳しい

それぞれの理由について詳しい内容と、対策を解説します。

1. 建築制限が厳しい

原則として市街化調整区域では建築・開発行為は禁止されており、一定の要件を満たす場合でも開発許可(または建築許可)を受ける必要があります。

その他にも市街化調整区域の目的(市街化の抑制、自然環境・景観の保護)から下記のような規制があります。

  • 最高の高さが10m以下
  • 店舗などは自己の業務用のみ
    ※貸事務所などは建築できない
  • 分家住宅や農家住宅はセカンドハウスでの建築禁止
  • 店舗➡住宅、住宅➡店舗などの用途変更には許可が必要
    ※同一敷地、同一用途、同一所有者に限り許可不要
  • 増築・建て替えには許可権者(都道府県知事等)への事前相談が必要

市街化区域のように、設計さえしっかりできていれば建築できるわけでなく、用途・居住者・使用者などにも厳しい制限があります。

「建築制限」についての対策は?

一般的な一戸建て専用住宅を建築するのであれば、高さや用途などに注意は不要でしょう。
店舗を建てる方、用途変更する方、増築・建て替えをする方は許可権者へ事前相談をしましょう。

また、分家住宅や農家住宅などの要件については「そもそも、希望の土地・エリアで建築できるか?」というレベルの話なので、最優先で事前相談しておきましょう。

市街化調整区域での建築(要件)については、こちらの記事を参照してください。
市街化調整区域で建築したい(記事一覧)

2.再建築不可の場合が多い

使われなくなった分家住宅や農家住宅は、許可を受けた人以外が購入しても利用権限が無く、再建築できません
繰り返します、分家住宅や農家住宅の物件を許可要件の無い人が買うと、「実際に住宅が建っていても再建築できません」

許可を受けた人とその家族以外の居住も禁止されているので、そんな住めない・売れない物件を買ってしまうと大変な損害を受けるリスクがあります。

市街化調整区域で魅力的な物件を見つけた場合、「市街化調整区域の為、都市計画法34条の許可が必要」といった文言が書いているケースがほとんどです。
これは、「分家住宅とかの許可が必要ですよ~」という意味ですので、読み飛ばさないように気を付けましょう。

たとえ建物が残存していたとしても、「再建築不可の可能性が高い」という認識をしておきましょう。

再建築不可の場合が多い」についての対策は?

仲介業者に問い合わせる際、「購入後に再建築できるかどうか」「どんな要件があれば建て替え可能か?」を詳しく確認しておきましょう。
心配であれば、役所や行政書士に相談するのも一つの解決策です。

3. インフラ整備の遅れ

上下水道、都市ガス、道路などのインフラは人口密集地から整備されるため、人口が少なく市街化を抑制している市街化調整区域のインフラ整備は遅れがちです。

そのため、市街化調整区域の生活利便性が低いのが実情です。
また、日本全体の人口減少傾向を考えると市街化調整区域のインフラ整備が積極的に進む可能性は低いでしょう。

とはいえ、上水道と道路が整備されていれば、下水道が無い場合は浄化槽、都市ガスが無い場合はプロパンガスなど、代替手段が存在します。
下水道・都市ガスのある生活と自然豊かな市街化調整区域での生活、どちらを選択するかよく考えてみましょう。

「インフラ整備の遅れ」についての対策は?

インフラ未整備のために発生する追加費用などは、事前調査でしっかりと見積もりを依頼しておくことです。

後になって、「浄化槽の設置が必要で200万円追加になりました」などと言われると資金計画が大きく変わってしまいますので、事前調査は信頼できる建築会社や工務店に、正確・確実に行ってもらいましょう。

4. 資産価値が低い傾向にある

市街化調整区域の不動産は再開発や売却が難しく、資産価値が下がりやすい傾向にあります。

なぜなら、市街化調整区域は都市部から離れており、インフラ整備の遅れ、スーパーや駅、バス停から遠いといった利便性が低いこと、将来の発展が見込まれないことから土地評価が低くなってしまうからです。

将来の資産価値を見越して、価格が高くても市街化調整区域の土地を購入しようと考えている方は、少し立ち止まってみることをお勧めします。

「資産価値が低い傾向にある」の対策は?

資産価値が「低いこと」についての対策はありませんが、市街化調整区域の不動産価値を正確に把握することが重要です。
市街化調整区域=安い、ではなく次の要素も考察してみましょう。

  • なぜ安いか?:ネックとなる建築制限について詳しく調べる
  • 既存宅地の可能性は?:既存宅地であれば再建築・売却が容易なため、新宅地より大幅な評価アップが期待できます
    ➡土地の登記簿謄本だけでなく、過去の建物の有無を建物の閉鎖登記簿、昭和45年以前の都市計画図や住宅地図、航空写真等で調べる
  • 立地が本当に悪いか?:駅やバス停に近い、商業施設に近い、といった立地のメリットがあれば病院・店舗用地、駐車場用地としても考えられます

5. 住宅ローン審査が厳しい

上記のような状況の為、市街化調整区域の不動産は担保価値が低くなってしまい、住宅ローン審査が厳しくなる傾向にあります。

また、思ったほど借入できない、金融機関によってはそもそも「市街化調整区域の物件は融資相談を受けない」ケーも噂に聞きます。
そういった金融機関には相談するだけ時間がもったいないので、止めておきましょう。

市街化調整区域の住宅ローン融資をしない金融機関、積極的な金融機関についての記事はこちら
分家住宅は住宅ローンが通らない?100件以上のローン成功事例の傾向とは

「住宅ローン審査が厳しい」への対策

一方、市街化調整区域の住宅ローンに強い金融機関も存在します。
それは、地元密着のJAや信用金庫などです。

彼らはそのエリアの特性を知っており、市街化調整区域の住宅ローン審査の通し方にも精通しています。
市街化調整区域の住宅ローンについては、メガバンク・ネット銀行よりもこういった地元密着型の金融機関をおすすめします。

市街化調整区域の不動産を購入すべきか?

【メリット】市街化調整区域の土地にもある魅力

以上のように市街化調整区域の不動産は「買わない方がいい」とされる一方、実は税金面の優遇土地価格の安さなどメリットも存在します。

以下で代表的なメリットを押さえましょう。

税金面での優遇

市街化区域と比べて、評価額が低め都市計画税(固定資産税価格の0.3%)が非課税になるなど税負担が低くなる場合があります。

固定費を抑えたい不動産オーナーにとっては大きなメリットです。

土地価格が安いので広い土地を購入しやすい

建築制限が厳しい分だけ相場が低いため、比較的大きな土地を安く購入できる可能性もあります。

家庭菜園や駐車場用地など、広大な敷地を確保したい方には魅力的な不動産が多いでしょう。
大規模分家住宅の要件がある方などは、安く売りだされている田・畑を候補地に考えてみてはいかがでしょう?

大規模分家住宅等についての記事はこちら↓
【愛知】市街化調整区域で土地購入!家を建てる方法と許可のポイント

自然豊かで静かな生活ができる

市街化調整区域は「市街化を抑制するエリア」のため、自然環境が守られており、人口密集地も少ないために静かな生活ができます。

都会の喧騒を離れたい、田園風景に囲まれた生活に憧れる、田舎のスローライフがしたい、という方は実際に物件見学から始めても良いでしょう。

【3分でチェック】購入前に必ず確認すべき項目

ここでは、市街化調整区域の不動産購入を考えている方が「とりあえずやるべきこと」を、簡単チェックリストにしました。
3分程度で確認できるので、ぜひ気軽に試してみてください。

  • 再建築が可能か?(役所や専門家に問い合わせ)
  • 用途地域の制限は?(農地転用・商業利用OKかなど)
  • 住宅ローンが借りられるか?(複数の金融機関で比較)
  • 上下水道・都市ガス・公共交通などのインフラ整備状況
  • 購入後に転売や賃貸を考えるなら、その可否

ひとつでも不安がある項目があれば、専門家に相談してから検討を進めましょう。
手間をかけることで、将来の大きな損失を防げるはずです。

投資目的で買う際のリスク

資産価値の上昇が期待できず、賃貸事業も難しいため、投資家目線ではハイリスクといえます。
市街化区域に比べて売却需要が低く、長期間売れないリスクも覚悟しなければなりません。

ただし、既存宅地であればアパート建築は可能ですので、状況によってはお宝物件も見つかるかもしれません。

まとめ:安さに飛びつく前にプロへ相談を

市街化調整区域の土地は、一見すると価格の魅力が大きいものの、建築制限やインフラ未整備、資産価値の低迷など、後悔しやすい要素も多く含まれています。

「どんな土地なら大丈夫?」「再建築不可を回避する方法は?」など、不安がある場合は専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。

実際、行政書士や不動産コンサルを介して許可を得られたケースもあるので、情報を集めれば無用な損失リスクを回避しやすくなります。

行動の第一歩:家づくり相談所を活用

もし「市街化調整区域やローン審査、建築許可の流れが分からない…」とお悩みなら、無料で利用できる住宅購入相談サービス「家づくり相談所」がおすすめです。

  • オンライン相談OK:忙しい方も自宅から全国どこでも気軽に利用できます。
  • 専門家の中立アドバイス:住宅ローンや許可のポイントなど、初めての人がつまずきやすい点をカバー。
  • 完全無料:費用をかけずにプロの知見を得られるので安心。

一時的な安さに惑わされる前に、長期的に満足できる不動産購入を目指すためにも、プロのサポートを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

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