失敗しない家づくりの手順完全ガイド in 市街化調整区域

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失敗しない家づくりの手順完全ガイド in 市街化調整区域

家づくりは理想の住まいの実現だけでなく、予算や法規制を含めた周到な計画が必要です。

特に市街化調整区域では建築許可や農地転用など通常とは異なる手続きも加わります。
市街化調整区域の土地一般的に割安な場合が多いですが、その反面で行政手続きやインフラ整備の費用負担が大きい点に注意が必要です。

最新データでは注文住宅取得者の世帯主の約28%が30代、約25%が40代でした。
※住宅金融支援機構 2023年度 フラット35利用者調査より

こうした若い世代の方々が失敗しない家づくりを進めるためのステップを順番に見ていきましょう。

「一般的な家づくり」と「市街化調整区域での家づくり」の違い

一般的な家づくり(市街化区域)と市街化調整区域での家づくりは、工程に大きな違いがあります。

一般的な家づくりの工程はこのように6ステップで完了します。

一方、市街化調整区域での工程は赤色の工程が追加されます。

失敗しない家づくり完全ガイド in 市街化調整区域

次の章では一般的な家づくりの全工程を解説し、その後に市街化調整区域での工程を解説します。

すぐに市街化調整区域での工程を知りたい方はこちら(市街化調整区域での家づくりの流れ)をクリック。

家づくりの全工程(準備から完成引渡し、アフターサービスまで)

一般的な注文住宅の家づくりは、次の手順で行います。
(カッコ)内はおおよその期間です。

家づくりの全工程
  1. STEP1.家づくりの準備:理想のデザインを考え、おおよその予算とのバランスを検討します(2~3ヶ月)
  2. STEP2.エリア選定・土地探し:職場や小中学校、駅・バス停への距離、その他周辺環境から判断します。
    ※親の土地に建てる場合は土地が決まっているので、周辺環境の確認がメインになります(3ヶ月~1年)
  3. STEP3.建築会社選び・設計プランニング:いくつかの建築会社を候補にして、設計プランを考えます(2~4ケ月)
  4. STEP4.工事請負契約と住宅ローン本審査:建築会社を最終決定して工事の請負契約、住宅ローンの本審査です。ここまで進むと、後は流れに沿って進んで行きます。(1ヶ月)
  5. STEP5.着工から完成・引き渡し:建築確認申請提出後、着工、竣工式~建物の完了検査(4~6ヶ月)。引き渡し・登記(住宅ローンの抵当権設定)(1カ月)
  6. STEP6.アフターサービス:住宅は大きな構造物ですので、定期的なメンテナンス、不具合修繕が必要です。これらのアフターサービスを行ってくれるかどうかも、建築会社選びの重要なポイントです。(完成後~3、40年)

家づくりを始めてから建物の引き渡しまで、早くても1年前後はかかるでしょう。
「意外と長い」、「だいたいそんなもんだと思ってた」、「1年で住めるの?」色んな感想があるかもしれませんね。

では、各ステップについて詳しく解説します。

STEP1.家づくりの準備

まずは、家づくりの準備からです。

理想の住まいづくり

家族構成や生活動線から希望の間取りやデザインを固め、どのような家に住みたいかをイメージします。

雑誌や住宅展示場などで情報収集しながら、断熱性・耐震性・省エネ性などの希望も整理すると良いでしょう。

注文住宅の事例を参考に、具体的なインテリアや外観デザイン、間取りなどを集め、理想と予算とのバランスを検討します。

資金計画

建築費用・土地代・諸費用(税金、仲介手数料、登記費用など)を含めた総予算を立て、住宅ローン返済計画を検討します。
また、必要な自己資金額や借入可能額も把握します。

2023年度の統計では、全国の注文住宅取得者の平均取得費(土地+建築費)は約6,681万円平均自己資金は約2,047万円と報告されています。
コロナ後の人件費・原材料費高騰で平均取得費が特に増えています(2021年度 5,783万円、2022年度 6,370万円)ので、住宅建築を考えている方は早めに進めましょう。
※一般社団法人住宅生産団体連合会 「2023年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」より

また、住宅ローン控除や補助金(こどもみらい住宅支援事業など)も検討し、専門家(金融機関・ファイナンシャルプランナー)に相談して無理のない返済計画を作成しましょう。

家づくりの資金計画をファイナンシャルプランナーに無料相談する

STEP2.エリア選定・土地探し

家づくりのイメージや借入金額の概算ができれば、「どこで家を建てるか」を考えます。

エリアの選定

住みたい地域や通勤・教育環境、将来の街づくり計画を考慮して、エリアを選定します。

郊外での一戸建ては人気ですが、道路や上下水道などのインフラ整備状況を確認しましょう。
下水道が未整備で浄化槽設置に100万円以上かかったり、側溝の敷設などで予定外の費用がかかってしまうかもしれません。

さらに、駅やスーパー、病院など生活利便施設の位置もチェックし、将来の生活品質を想定します。

物件探しの方法

物件探しは不動産情報サイトポータルサイトで条件検索するだけでなく、地元の不動産会社にも条件を伝えて非公開物件を紹介してもらいましょう。
タイミングによっては、思わぬ掘り出し物があるかもしれません。

物件探しはタイミングが重要で、早い者勝ちなので、気になる土地があれば早めに現地見学しましょう。
後で「現地見学だけでもしておけば良かった」となっても、他に買い手がついてしまっては交渉すらできません。

現地見学では周辺環境や日当たり、隣地の状況を実際に確認します。
駅やバス停までの距離や騒音・振動の有無などもチェックポイントです。

市街化調整区域の確認

土地が市街化区域市街化調整区域かを不動産会社または自治体の都市計画図で確認します。

市街化調整区域では建物の建築は原則禁止で、分家住宅既存宅地などに限り、例外的に開発許可(または建築許可)を受けて建築可能です。

そのため市街化調整区域の物件は相場の半額以下で売られていることが多く、そのほとんどは建築不可物件です。

ただし、誰でも建築できる土地(既存宅地など)、所有不動産が無ければ買える用途変更物件(所有者が破産、死亡している等)、も存在します。
「市街化調整区域だからダメ」とは思わずに、気に入ったエリアであれば市街化調整区域も積極的に建築できる物件を探してみましょう。

土地調査(役所調査、現況測量)

候補地が決まれば、候補地の形状、地盤高、接道状況、上下水道の整備状況などを詳しく調査します。

土地が農地の場合、農地転用が必要かどうかや、農業振興地域内農用地(青地)ではないか、も確認しましょう。また、建ぺい率・容積率、斜線制限、都市計画道路の有無、がけ条例など、法令調査も必要です。

これらの調査は自分で行うことは難しいため、測量事務所等に依頼することとなります。
購入の意思があれば不動産会社によっては無料(不動産会社負担)の場合もありますが、基本的には5~10万円程度の費用がかかります。

この土地調査をサボってしまうと、「斜線制限のせいで考えていた建築計画がダメになった」、「セットバック面積が広すぎて平屋は難しい」といったトラブルを抱えることになり、最悪の場合は建築できないケースもあります。
真剣に「欲しい」と思った土地であれば、費用をかけても土地調査を行いましょう。

土地契約

条件に合う土地が見つかったら、土地所有者と売買契約を結びます。

ただし、市街化調整区域の場合、許可取得が見込めるか事前に確認してから契約するのが望ましいです。
契約書には「許可が下りなければ白紙撤回(手付倍返し不要)」を付けた、停止条件付契約とし、何らかの事情で許可が下りなかった場合に備えておきましょう。

STEP3.建築会社選び・設計プランニング

土地が決まれば、建築会社を選定し、具体的な設計プランニングに入ります。

施工会社選定

希望する工法・デザインや予算に合う施工会社(ハウスメーカー・工務店)を選びます。

モデルハウス完成見学会を見学し、複数社から見積もりを取りましょう。

業者の信頼性(建設業許可番号・施工実績)、保証体制アフターサポートなども比較ポイントです。
また、担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさも、安心できる家づくりには重要です。

間取り・設備仕様の決定

建築会社が決まれば、具体的な間取りプランを作成します。

土地形状や方位を活かした配置、将来の家族構成を見越した部屋数と動線、収納スペースを検討しましょう。
耐震性・断熱性・省エネ性能の希望を満たす工法を選び、屋根・外壁・床材などの仕上げ仕様も決定します。

さらに、省エネ住宅やスマートハウスなど最新技術の導入も視野に入れておくとよいでしょう。

計画が決まると概算見積もりが提示されるので、予算内であることを再確認します。

費用と性能の両立

同じような間取りでも、選ぶ設備(断熱材や窓ガラスの種類)やグレードで費用が大きく変わります。
建築会社から提示される仕様書や見積り内訳をよく見て、コストカットできる部分がないか検討しましょう。

一方、安さを追求しすぎて必要な性能がおろそかにならないよう注意します。

将来設計

子育てや老後も視野に入れ、長期のライフプランを考慮した間取りにします。

子どもの成長や親との同居などライフスタイルの変化を見越し、部屋数や共有スペースの配置を工夫しましょう。

長く暮らす住まいだからこそ、フレキシブルに使える間取りが望まれます。

健康・維持管理

建材や設備は人体や環境への安全性も確認しましょう。

シックハウス対策や防カビ仕様の断熱材、維持管理コスト(太陽光発電導入時のメンテナンス費用など)も含めて検討します。

契約前チェック

詳細な契約仕様書と見積書を確認します。
特に設備オプションの記載漏れや数量の誤り割引交渉で後付けされた内容に齟齬がないか注意深くチェックし、納得いく説明が得られない項目は修正を依頼しましょう。

STEP4.契約とローン審査

契約前チェックが終わり、設計プランが決まれば工事の請負契約を行います。
そして、住宅ローンの本審査を受ければ着工はすぐそこです。

工事請負契約

プランと見積もりに納得すれば、建築会社と工事請負契約を結びます

契約書には価格工事範囲工期保証期間解約条件などを明記し、追加工事や仕様変更に伴う費用負担ルールも取り決めます。

重要事項説明書は宅建士立会いで読み合わせるので、疑問点は必ず解決してから署名しましょう。

住宅ローンの本審査

契約後、金融機関で住宅ローンの本審査を受けます。

市街化調整区域の土地であれば審査が厳しくなることがありますが、JAや地元の信用金庫など、市街化調整区域でも積極的に融資をしている金融機関も存在します。

金利や返済期間を比較し有利な条件を選びます。
つなぎ融資による建築資金の確保や、ローン保証会社の利用も検討し、安全な資金計画を立てましょう。

市街化調整区域の住宅ローンについて、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
分家住宅は住宅ローンが通らない?100件以上のローン成功事例の傾向とは

STEP5.着工から完成

計画図面をもとに建築確認申請を行い、建築確認が下りれば工事着工します。

戸建て住宅の建築期間は一般に4~8ヶ月程度で、基礎工事、躯体工事、内装仕上げ工事と段階的に進みます。
建築会社は工程表を作成し、各工程で施工状況や設計との相違を確認しながら、安全・品質を管理します。

工事が始まると進捗状況や、現場の様子が気になってしまいますが、現場見学する際は突然行かず、最初は現場監督などに「見学に行ってもよいか」事前確認しましょう。
重機を入れて危険な工事をしていたり、柵が施錠されていて入れなかったりということがあるので、アポイントを取ることをお勧めします。

差し入れなどは人数・時期に合わせたものにしましょう。

完成検査・竣工

竣工(建物完成)時に施主、施工会社、施工監理者で完成検査を行い、不具合や不足がないかチェックします。

その後、役所による完了検査(建築基準法による法令順守検査)や消防設備検査を受けて合格すれば、施主への引き渡しとなります。
検査で指摘された箇所はきちんと補修してもらいましょう。

登記と入居

住宅の引き渡し後は建物表題登記及び所有権保存登記住宅ローンを利用する場合は抵当権設定登記も行います。
登記費用はつなぎ融資かどうかにもよりますが、登録免許税(印紙代)を含めて40万円前後が相場です。

電気・ガス・水道などライフラインの開通手続きを済ませ、引っ越し日をスムーズに進められるよう準備します。

引き渡し後も住宅瑕疵保険やメーカー保証を活用して、安心して長く住み続けられる環境を整えましょう。

引っ越しを完了したら、お隣さんに手土産を持ってあいさつ回りをしておきましょう。
そうすれば、今後の近所づきあいも良好になるでしょう。

STEP6.アフターサービス

やっと完成したマイホーム、引き渡しを受けて無事に入居することができました。

しかし、実際に住み始めてから気付く不具合・トラブルもあります。
雨漏り壁のヒビ、引き渡し時に気付かなかった床や階段の細かい傷などです。

では、通常はどのようなアフターサービスが受けられるのでしょうか?
アフターサービスの内容、不具合・トラブルに気付いた場合の対応方法について解説します。

10年保証(品確法)

家づくりを調べていると、「10年保証」という言葉が出てきますが、これは品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)により住宅事業者に義務付けられている、10年間の住宅瑕疵担保責任のことです。
さらに、平成21年10月以降は住宅瑕疵担保履行法により住宅事業者は新築住宅かし保険への加入などにより充分な修理費用を賄えるようにしたうえで新築住宅を引き渡すこととされました。
※一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 「住宅瑕疵担保履行法」より一部抜粋

瑕疵(かし)とは欠陥のことで、この法律で言う瑕疵は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」の欠陥(柱や壁などの構造部分の欠陥、雨漏りなど)です。

簡単に言えば、「ハウスメーカーや工務店は、建築した住宅の構造上の不具合や雨漏り等に対して10年間は責任を持ちなさい」ということです。

また、修補請求しようとしたものの、住宅事業者が倒産しているなどで対応できない場合は住宅事業者が加入している保険(国土交通大臣指定の保険法人が提供)により賄われます

このような仕組みのおかげで、中小の工務店でも安心して住宅建築の依頼が可能となります。

住宅メーカーのアフターサービス

法律で義務付けられている10年保証以外に、大手住宅メーカーなどでは独自のアフターサービスを提供していることもあります。

メーカーによって保証内容や期間が違う

メーカーによってアフターサービスの補償内容や期間が違うので、しっかりと確認しておきましょう。

引き渡し後1~2年以内に見つかった不具合(クロスの剥がれ、床のへこみ)は無償修理、それ以降は割引での有償修理、修理後は保証期間が延長されるなど、様々です。

アフターサービスの充実した業者がおすすめ

定期点検をしてくれる、問題が起きたらすぐに対応してくれる部署がある、といったアフターサービスの充実した業者がおすすめです。
住宅は生活の拠点ですから、ゲリラ豪雨による雨漏りや地震で壁のひび割れが起こっても、すぐに対応してくれるなら安心ですよね。

また、建築設計事務所などであれば、建築士さんが年に一回は訪問してくれることもあります。

年に一度は、私たちがお宅を訪問いたします。

一緒に家創りをさせていただいたお客様とは、生涯お付き合いが続くものと考えています。
その後も、年に一度は私たちがお宅へお伺いすることにしていますので、
お住まいになるうちに気付いたことは、何でもご相談ください。

ナイトウタカシ建築設計事務所HP  「家創りの流れ」より引用

家づくりの手順には意味がある

家づくりの手順は、注文住宅であれば土地購入するかどうかで多少手順が変わる以外は、ほぼ同じです。

これは、ハウスメーカー・工務店と打ち合わせをしながら希望のプランを具体化し、資金とのバランスを取ることが、施主・建築会社ともにベストな方法だからです。

工事請負契約をしてから予算内でプランニングをするのでは、施主側の希望が叶えられない可能性が高く、逆にプラン決定後で予算交渉すると、建築会社が泣く羽目になってしまいます。

お互いに少しづつ歩み寄って、お互いにとって良い家づくり・施工になる手順と言えます。

しかし、市街化調整区域での家づくりになると事情は少し変わります。
どんなに良いプランニングをしても、役所との折衝(事前相談)を怠ると「家が建てられない」という大きなリスクを抱えることになります。

そんなトラブルを防止するため、市街化調整区域での家づくりで気を付けることを紹介します

市街化調整区域での家づくりで気を付けること

では、市街化調整区域の場合は何を気を付ければ良いでしょうか?
基本的には下記のポイントに気を付けていれば、大きなトラブルは回避できるでしょう。

  • 市街化調整区域について知る市街化調整区域とは「市街化を抑制するエリア」で、建物の建築は原則禁止されています
  • 例外的に建築の許可が下りるケースがある:分家住宅や既存宅地など、一定の要件を満たす場合に限り建築の許可が下ります。
    市街化調整区域で建てたい場合は、土地探しの段階から「建築できる要件があるか」を行政書士や建築士などの専門家に調べてもらいましょう。
  • 契約書には停止条件をつける:「停止条件」とは、建築許可を得なければ契約の効力が発生しないという契約の条件で、土地の売買契約・建築会社との工事請負契約書に必ず盛り込みます。
  • 許可取得に時間がかかる:市街化区域に比べて3ヶ月~1年程度の期間が必要となります、余裕を見ておきましょう

主なものについて、詳しく解説します。

市街化調整区域について知る

市街化調整区域は都市計画法で「市街化を抑制すべき地域」と定められた区域で、原則として住宅新築には開発許可が必要です。

詳しくはこちらの記事を参照してください。
市街化調整区域とは?家が建てられない?農地転用が難しい?

既に多くの住宅がある地域は、一定の開発が可能な「都市計画法第34条11号地域」に指定される場合もあります。

必要な許可と手続き

市街化調整区域で住宅を建てるには開発許可(または建築許可)と、土地が農地であれば農地転用許可の取得が必要です。

さらに、道路・排水施設などの整備計画が審査され、周辺公共施設への負担軽減が求められます。

農地転用申請は農業委員会へ申請し、農業生産への影響や代替性を審査されます。
なお、農業従事者が自分の農地に建てる農家住宅の場合、開発許可が不要となる特例があります。

誰でも建てられる既存宅地、農地を買える分家住宅

市街化調整区域内でも、土地や人を要件と下例外が設けられています。

愛知県の既存宅地(愛知県開発審査会基準第17号)では、市街化調整区域決定前から宅地となっており50戸以上の住宅が並ぶ区域であれば、誰でも建築許可を受けて建築が可能です。

また、分家住宅(愛知県開発審査会基準第1号)は、市街化調整区域決定前から市街化調整区域に住んでいる世帯構成員の子や孫が結婚等で独立する場合、他に利用可能な土地が無ければ農地を買って住宅を建築することができます

自分にはどの要件の可能性があるかなど、要件は自治体ごとに異なるため、役所の窓口で確認しましょう。

市街化調整区域での家づくりの流れ

ここでは、市街化調整区域での家づくりの流れを解説します。
赤文字が、「市街化調整区域特有の手順」です。

失敗しない家づくり完全ガイド in 市街化調整区域
  1. STEP1.家づくりの準備:理想のデザインを考え、おおよその予算とのバランスを検討します(2~3ヶ月)
  2. STEP2.エリア選定・土地探し:職場や小中学校、駅・バス停への距離、その他周辺環境から判断します。
    ※親の土地に建てる場合は土地が決まっているので、周辺環境の確認がメインになります(3ヶ月~1年)
  3. STEP2-1.要件確認建築主が建築許可を受けられる要件があるか(分家住宅なら建築主の血縁関係や居住状況、既存宅地であれば建築地が市街化調整区域決定前から「宅地」かどうかなど)を、役所や行政書士に確認します。
    ※このタイミングで行っておけば、後で建てられないというリスクを払しょくしつつ、要件が無い場合は分譲地を探すなり、早いタイミングで方向転換できます
  4. STEP3.建築会社選び・設計プランニング:いくつかの建築会社を候補にして設計プランを考えます(2~4ケ月)
  5. STEP3-1.市街化調整区域での家づくりに慣れた建築会社を選ぶ:市街化調整区域での建築は、要件確認や排水計画、許可の手順など把握していないと数ヶ月~1年以上、建物の完成が遅れてしまいます。市街化調整区域での家づくりの経験豊富な地元工務店や営業マンを見つけましょう。
  6. STEP4-0.市街化調整区域に積極的な金融機関探し:市街化調整区域は査定が低い傾向にあり、金融機関によっては審査すら断られることがあります。調整区域に慣れている地元のJA・信用金庫などに相談しましょう。
  7. STEP4.工事請負契約と住宅ローン本審査:建築会社を最終決定して工事の請負契約、住宅ローンの本審査です。ここまで進むと、後は流れに沿って進んで行きます。(1ヶ月)
  8. STEP4-1.建築許可申請:建築プラン決定後に、建築許可申請を行います。既存宅地など早ければ1ヶ月程度、農地の場合は農地転用許可申請や農振除外などで、2ヶ月~半年かかります。こちらも手間取ると、更に時間がかかるので、許可手続きに慣れた行政書士に依頼しましょう。
  9. STEP5.着工から完成・引き渡し:建築確認申請提出後、着工、竣工式~建物の完了検査(4~6ヶ月)。引き渡し・登記(住宅ローンの抵当権設定)(1カ月)
  10. STEP6.アフターサービス:住宅は大きな構造物ですので、定期的なメンテナンス、不具合修繕が必要です。これらのアフターサービスを行ってくれるかどうかも、建築会社選びの重要なポイントです。(完成後~3、40年)

市街化調整区域での家づくりにおいて、やるべきことは主に要件確認・金融機関探し・許可申請です。

どれも後回しにすると期間が延びる、融資を受けられない、そもそも建てられなくて打ち合わせ自体が無駄になる、と悪いことばかりです。
この記事を最後まで読んだ方は、是非とも失敗のない家づくりをしてください。

失敗しない家づくりのために

市街化調整区域の建築は地元ルールを把握している工務店などがお勧めです。

しかし、工務店に付き合いがない購入したい土地に知り合いが少ないといった場合はできるだけ沢山の建築会社・工務店に一社一社ホームページからの資料請求が必要です。

そこで、ハウジングバザールであれば一括で建築会社の資料・間取り作成・見積もりの取得が可能です。
手間を最低限にして、気に入った工務店と打ち合わせをすれば市街化調整区域でも安心して建築できるでしょう。

市街化調整区域での家づくりに失敗したくない方は、ここから一括資料請求をして、信頼できる工務店・建築会社を探してみましょう。

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まとめ

市街化調整区域での家づくりでは、通常の戸建て建築に加えて都市計画法による開発許可申請や農地法による転用許可など、多くの法的手続きを経る必要があります。

しかし、事前に入念に計画し、専門家と連携して進めれば、広い土地と豊かな自然環境を活かした理想のマイホームを実現できます。
ここまで紹介した各ステップを着実に進め、資金計画と土地条件を常に確認しながら家づくりを進めてください。

  • 流れの確認: 家づくりの各ステップ(情報収集→予算決定→土地購入→設計・契約→施工→入居)を把握し、スケジュールを逆算して余裕をもって準備する。
  • 予算管理: 土地と建物の購入総額(全国平均約6,681万円)を想定し、自己資金とローン計画をしっかり準備する。
  • 行政手続き: 市街化調整区域では開発許可・農地転用など法手続きを把握し、許可取得後に着工する。
  • 専門家相談: 行政書士・宅建士・建築士などに相談して不安点を解消し、見積もりや契約内容を慎重に確認して信頼できる業者と進める。
  • コミュニケーション: 建築会社や役所、専門家と密に連絡をとり、不明点はすぐ相談します。情報共有がスムーズなほどトラブルを防げます。
  • 品質チェック: 工事中は定期的に現場を訪れて工程や素材の品質を確認しましょう。第三者検査会社を利用するのも効果的です。
  • 長期視点: 入居後のメンテナンス費用や光熱費、省エネ効果なども踏まえて、長期的なコストを見越した住まいづくりを心がけます。
  • 暮らしの想定: 在宅ワーク環境や駐車場、ペット飼育など具体的な生活スタイルを想定し、それに合ったプランを検討します。将来の間取り変更や増改築も視野に入れておきましょう。
  • 近隣との協議: 道路や隣地との境界確認は早めに行い、必要なら隣地所有者と協議します。境界線が不明確な場合は測量を依頼し、境界問題を未然に防ぎましょう。農地だった場合は周辺農家と農道の利用ルールを共有し、良好な近隣関係を築くことで建築後のトラブルを防げます。
  • リスク管理: 火災保険や地震保険などで災害リスクに備えましょう。家具の固定や避難経路の確保など、住み始めてからの安全対策も重要です。地震時の家具転倒防止や周辺のハザードマップの確認も行い、長く安全に暮らせる体制を整えましょう。
  • 事前審査: 住宅ローンは契約前に事前審査を受け、購入可能額の目安を把握しておくことが重要です。これにより予算を確定し、安心して家づくりを進められます。
  • スケジュール管理: 建築着工から引き渡しまでの工程表を作成し、各段階の進捗を把握します。遅れや追加変更があった場合にすぐ対策できるよう、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
  • 仕様確定: キッチンやバス、窓などの設備仕様を見落としがないよう最終確認します。変更後では費用が高くなるため、早い段階で仕様を固めておくことが効果的です。
  • アフターサポート: 引き渡し後の保証やメンテナンス体制を確認し、長期的な安心につなげます。10年点検や設備保証の範囲を把握し、不具合時の対応方法を業者と共有しておきましょう。
  • 法令・規制の変化: 建築中や計画段階でも法律が改正される可能性があります。最新情報をチェックし、新しい規制に対応した計画となっているか確認しましょう。

上述の各ステップとポイントを着実に実行すれば、役所への申請要件や土地の法的条件を満たしつつ、理想のマイホームを実現できるでしょう。

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