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分家住宅の実際の許可手順と費用:安城市の場合

名古屋市の役所で農地転用の相談をするシーン 分家住宅

安城市の市街化調整区域で分家住宅の許可を申請する、実際の手順はどんなものでしょうか?意外とそんなもの?意外と大変?

この記事では、愛知県安城市を例に、分家住宅の許可手続きと費用を詳しく解説します。スムーズな許可取得のためのガイドとして、専門家のアドバイスや申請時の注意点も紹介します。この記事を読んで、自分でチャレンジするか、専門家に依頼するかを考えてみましょう。そして、夢のマイホーム実現への一歩を進めましょう。

記事内容を1分程度にまとめた動画はこちら↑

1. 市街化調整区域とは?

市街化調整区域とは、都市計画法で指定された、市街化を抑えるべき区域のことです。この区域では、無秩序な開発を防ぐため、基本的に建築物の建設が制限されています。

住宅建設が制限される理由は次の通りです。

  • 農地や自然環境の保護
  • 市街化の抑制

2. 分家住宅の概要(一般分家の場合)

分家住宅の概念を示す、農村に建てられた新築住宅とその前にいる家族のイラスト

愛知県の分家住宅は、結婚して世帯を持つ子どもが本家から独立し、親や祖父母が所有する農地に建てる住宅のことです。市街化調整区域内での建築が制限されている中で、例外的に許可が認められるケースの一つです。

安城市で分家住宅の許可が下りる主な条件は次の通りです。
※主要な要件を抜粋しています。

【人の要件】

  • 申請者が結婚している(世帯を持っていること)
  • 現在持ち家がないこと(借家、実家暮らしなど)
  • 住宅建築が必要な理由があること(アパートが狭い、実家に住めない等)
  • 他に利用可能な土地がないこと(親や祖父母が市街化区域内に土地を所有していない)

【土地の要件】

  • 申請地が直系尊属(親・祖父母)が線引き前(昭和45年以前)から所有している土地であること
  • 周りに建物があり、集落性があること

3. 安城市における分家住宅の許可手順

ここでは、安城市で分家住宅の許可を得る手順を具体的に説明します。
夫の父が所有する農地に許可を取得して分家住宅を建てる夫婦の事例を想定しています。

手続きは複雑ですので、行政書士に依頼することを推奨します。

①事前相談と土地の確認

まずは、分家住宅の要件に該当するか確認します。分家住宅には人と土地の要件があり、両方を満たす必要があります。また、農地転用が可能かどうか、農地の種別(甲種農地、第一種など)の確認も必要です。

必要書類(戸籍謄本、住民票、土地登記簿謄本など)を安城市役所建築課に提出し、理由書には土地選定の理由や建築の必要性を記載します。

農地転用については、農務課農地係に相談します。広すぎる農地を転用すると固定資産税が高くなるため、敷地面積は500㎡未満にするのが一般的です。

事前相談で要件を確認した後にハウスメーカーと契約することを強く推奨します。事前相談なしで契約すると、要件を満たさずトラブルになる可能性があります。

②確定測量と分筆、建築プランの打ち合わせ

500㎡以上の土地を分筆する際、土地家屋調査士に依頼して確定測量と分筆を行います。
1000㎡の土地を330㎡に分筆する場合、費用は60万円前後が目安です。

許可申請には建築プランの確定が必要です。平面図、立面図、土地利用計画図などの詳細な図面を準備してから申請します。

③土地改良区の意見書

安城市内の市街化調整区域の農地のほとんどは、安城土地改良区・明治用水土地改良区の管理下にあります。農地転用申請の際には「問題なし」という意見書が必要です。

  • 明治用水土地改良区:申請書を提出後、10日前後で意見書が発行されます。土地の面積に応じた転用決済金を支払います。
  • 安城土地改良区:明治用水土地改良区の意見書発行後に手続きを行います。

④農地転用と都市計画法の建築許可申請

意見書を添えて農地法第5条の許可申請を農務課に提出します。安城市では毎月5日が締切です。
申請が遅れると工事計画も1ヶ月遅れるため、余裕を持って手続きを進めましょう。

分家住宅の建築許可申請は建築課へ行い、手数料を支払います。

⑤補正対応と許可の取得

農地転用や建築許可に関する補正依頼があれば、速やかに対応します。

例えば、8月5日に農地転用申請をした場合、9月下旬に許可が下りるのが一般的です。都市計画法と農地法の許可は同日に下ります。

⑥建築確認申請と着工準備

許可が下りた後は、建築確認申請を行い、工事業者の選定や資材の手配を進めます。

4. 分家住宅建設にかかる費用と期間

今回のケースで分家住宅建設にかかる費用と期間の目安は次の通りです。

  1. 測量・分筆費用:約60万円前後     3ヶ月程度
  2. 農地転用申請費用:約20万円前後    2ヶ月程度※測量前の事前相談で+1ヶ月程度
  3. 建築許可申請費用:約25万円前後    2ヶ月程度(農転とセット)
  4. 土地改良区手続き費用:15万円~20万円程度(面積により変動)

合計で130万円~140万円、期間は6ヶ月程度が目安です。条件により変動するので参考としてご覧ください。

許可費用は高いと感じるかもしれませんが、坪あたり15,000円弱で農地を転用できたと考えると、非常にお得です

5. 分家住宅成功のためのポイント

分家住宅の許可取得でよくあるトラブルとしては、「スケジュールが遅れて着工が遅れた」や「追加費用が発生した」、「許可が取れなかった」などです。

これを避けるためのポイントは以下の通りです。

  1. 経験豊富な専門家に早めに相談する:分家住宅や農地転用の実績が豊富な行政書士事務所に依頼するのが安全です。
  2. 許可申請とスケジュール管理が重要:許可のスケジュールは1回遅れると1ヶ月ずれます。余裕を持ったスケジュールで依頼しましょう。
  3. 必要書類の事前準備:書類が足りないと手続きが遅れるので、正確な情報提供と必要書類の早めの準備が大切です。

7. まとめ

分家住宅を建てる際は、許可要件の確認から始まり、測量や農地転用、建築許可申請などを行う必要があります。スムーズに進めるためには事前相談や専門家への依頼が必須です。今回の事例を参考に、計画的に進め、費用や期間を十分に考慮して準備しましょう。

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