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親の農地に家を建てることは、土地取得費用の削減や資産価値の向上など大きなメリットがあります。
しかし、その反面、農地転用の手続きや固定資産税の増加などのデメリットも伴います。
本記事では、親の土地を活用して家を建てる際の手続きの流れや税金対策、生前贈与や相続に関する注意点について詳しく解説し、失敗しないためのポイントを紹介します。
親の農地に家を建てるか悩んでいる方は、この記事を読めば自信をもって選択できるでしょう。
親の農地に家を建てるメリット
家を建てる際、土地を買うか親の土地に建てるかは、メリットとデメリットのせめぎあいです。
ここでは、メリットについて解説します。
土地の取得費用がかからない
親の農地に家を建てる最大のメリットは、土地の取得費用がかからない点です。
農家の高齢化が進み、農地(田畑)が手に余っている家庭が多く存在します。
耕作放棄してしまうと雑種地として固定資産税が高額になるため、柿や柑橘類を植えて、何とか農地として維持しているケースもあります。
しかし、そんな余っている農地に家を建てられるのであれば、わざわざ土地を買う必要がないため、土地取得のコストが抑えられます。
そして、本来であれば必要だった土地代金は建築資金に回すことも可能なため、希望の家を建てる自由度が高まります。
資産価値の向上
農地に家を建てることで、その土地の資産価値が向上します。
農地から宅地に転用することで、資産価値が大幅に上がることが一般的です。
将来的に、親から譲り受けた土地が高価な資産へと変わり、家計にとって大きなメリットとなります。
親との距離が近い
親の農地に家を建てることで、親との距離が非常に近くなり、コミュニケーションが円滑になります。
緊急時の対応がしやすく、子育てや日常のサポートも受けやすいため、家族の絆が深まります。
親と同じ土地で生活することは、安心感と利便性をもたらす大きな要素です。
親の農地に家を建てるデメリット
一方、親の農地に家を建てるデメリットもあります。
固定資産税が高くなる
市街化調整区域の農地であれば、固定資産税評価額は宅地の数十分の一です。
そのため、農地転用により地目が農地(田畑)から宅地に変わると、固定資産税評価額は何十倍にも上がってしまいます。
宅地化する土地が広ければ広いほど高くなります。
戸建ての宅地であれば、小規模宅地の特例(固定資産税評価額が200㎡まで6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に減額)はありますが、それでも田畑の時に数千円だった固定資産税が何万円にも高騰してしまいます。
場所が選べない
親の土地であれば所有地に限られるため、「ここの学区が良い」、「○○に近いエリアで建てたい」といった希望があっても土地を移動するわけにはいかないので、決まった所で建築することになります。
生前贈与か相続か
建物を建てた土地を、生前贈与と相続のどちらで土地を取得するかはとても重要です。
親から生前贈与を受けて家を建てる
生前贈与であれば、親が健在なうちに名義変更できるため安心です。
ただし、贈与税が発生するというデメリットがあります。
農地の贈与を受ける場合、路線価、または倍率評価で贈与税の計算をします。
倍率地域の場合は、固定資産税評価額に国税庁の指定する倍率をかけることになります。
愛知県内の田畑の倍率は30倍~70倍と高い場所が多いです。
そのため、固定資産税評価額が10万円であれば贈与税の評価額は300万円~700万円となります。
また、親からの贈与であれば特例贈与財産に該当するもの、贈与税評価額が300万円であれば19万円、700万円であれば88万円の贈与税が必要となります。
贈与を受けた翌年の3月15日までに贈与税の申告と納付が必要です。
さらに、贈与の場合には不動産取得税も課税されます。
家を建てた後に相続で承継する
相続の場合は、親が亡くなった後に土地を取得します。
相続税は基礎控除も大きい(3,000万円+相続人の人数✕600万円)ため、贈与に比べて税金が低く抑えられます。
しかし、遺産分割協議が必要なため、相続人間で揉めてしまうと、名義変更ができないというリスクがあります。
遺産分割協議書で揉めないためには、親に遺言書を作成してもらうと良いでしょう。
税金面で言えば、贈与税以外にも名義変更にかかる税金の違いがあります。
- 登録免許税:贈与の場合は固定資産税評価額の1000分の20、相続は1000分の4
- 不動産取得税:贈与の場合は固定資産税評価額の1.5%、相続は非課税
費用だけで考えると遺言書を書いてもらって、親が元気な間は使用貸借にしておき、親の死後に遺言書で名義変更するのが一番確実でしょう。
生前贈与と相続での費用の違い
名義変更に係る費用をまとめるとこのようになります。
※農地の固定資産税評価額10万円、倍率70倍(700万円)、宅地転用後の評価も700万円とします
生前贈与 | 相続 | |
必要な手続き | 生前の贈与登記 | 遺言書の作成 死後の相続登記 |
贈与税 | 88万円 | - |
相続税 | - | 基礎控除(3000万円+相続人✕600万円) 以下なら非課税 |
登録免許税 | 14万円(近傍宅地評価700万円想定) ※固定資産税評価額の1000分の20 | 2万8千円(700万円想定) ※固定資産税評価額の1000分の4 |
専門家報酬(概算) | 所有権移転登記(贈与) 8万円 | 所有権移転登記(遺贈) 8万円 遺言書作成 20万円 ※公証人手数料含む |
合計 | 102万円 | 30万8千円 |
生前贈与?相続?の選択肢はこう考える
遺言書作成の方が費用が安く、相続争いのリスクも軽減できます。
しかし、家を建てさせてもらう上に「遺言書を書いて」とは言いにくい場合もあります。
そんな場合には下記のフローに従って検討し、家庭ごとの距離感に応じてどの方法がベストか考えましょう。
農地転用の手続き方法
親の農地に家を建てるのであれば、「農地転用」の申請手続きが必要です。
また、家づくり全体の流れについて知りたいは、こちらの記事をご覧ください。
農地法による制限
農地は農地法で保護されているため、建物を建てる場合には農地法の許可が必要です。
※愛知県HP参照 農地の転用
通常、農地法の許可は最低でも2ヶ月かかり、市街化調整区域であれば都市計画法の許可(建築許可または開発許可)も必要です。
農地は周辺の状況によっては転用できない農地(甲種農地、第一種農地、農振農用地)もあるので、転用できるかどうか事前に市町村役場の農業委員会に相談しておきましょう。
ただし、市街化区域の農地であれば、事前に農業委員会に届出を出すだけで転用可能で、処理期間は2週間程度です。
検討している土地が、市街化区域か市街化調整区域か分からない場合にはこちらの記事を参考にしてください。↓
申請書類の準備
農地転用の申請には、申請書、位置図、土地の登記事項証明書、建物の平面図・立面図、土地利用計画書などの書類・図面が必要です。
不備があると補正や取り下げになり、許可までの期間が延びてしまいます。
申請書類は事前にしっかりと準備しましょう。
農地法許可申請から完了までの流れと期間
農地転用の許可申請手続きは、市町村役場の農業委員会・農政課・農務課等と行います。
まずは農地が転用できる種別の農地か、周辺農地の影響、排水の調整が必要です。
問題がなければ、都市計画法(分家住宅等)の事前相談も合わせて行います。
事前相談と申請書類作成が完了後、毎月1回の締切日までに申請し、2ヶ月程度で許可が完了します。
家を建てた後の手続き
農地法の許可(都市計画法の許可を含めて)を受けた後は、建築確認申請・工事着工・建物完成と、通常の宅地などの建築と同じ流れになります。
地目変更の必要性
家が完成した後には、農地の「地目変更」が必要です。地目を宅地に変更しないままでは、転用が未了とみなされる可能性があります。必ず地目変更登記まで完了させましょう。地目変更登記は、建物の登記と一緒に土地家屋調査士に依頼すれば手続きを行ってくれます。
建物の表示登記
家を建てた後は、建物の表示登記を行います。この手続きを行うことで、法的に建物の権利を主張できます。
農地転用の完了報告
農地転用が完了後は、愛知県に完了報告を行う義務があります。完了報告を怠ると、警告を受ける場合があるため注意しましょう。
愛知県HP 工事完了報告書及び工事進捗状況報告書
まとめ
親の農地に家を建てる際には、農地転用の申請や税金面での注意点が多くあります。特に、贈与税や固定資産税に注意し、しっかりと手続きを進めることが重要です。
親の土地に家を建てることを希望する方は、行政書士などの専門家に相談しましょう。
正確な情報をもとに手続きを進めることが成功への鍵となります。
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