市街化調整区域は、市街化を抑制する区域で、基本的に建物の建築が禁止されています。この区域に自分の土地が含まれるか調べるための便利なツールがあります。
本記事では、初心者でも簡単に確認できる市街化調整区域の調べ方を3つ紹介します。土地の購入や売却を考えている方に役立つ情報です!
市街化調整区域とは
定義と特徴
市街化調整区域とは、都市計画法で市街化を抑えるために定められた区域のことです。ここでは、建物の建築が基本的に禁止されています。建物の建築には、都市計画法第29条・第43条の許可が必要です。
市街化調整区域は農地や山林が多く、静かな環境が保たれています。また、建築・建て替えが難しいために、土地の価格が安いのが特徴です。
市街化区域とは?
市街化区域は「優先的に市街地化を進める区域」として設定されています。一番の特徴としては、公共交通機関やインフラ整備が進んでいます。
市街化調整区域の調べ方
市街化調整区域の土地かどうか気になる場合、原則は役所で調べます。しかし、実際には「①市区町村の都市計画図」、「②国土交通省の不動産情報ライブラリ」、「③愛知県なら『マップあいち』」の3つのサイトで簡単に確認できます。
ちなみに、私のおすすめは不動産情報ライブラリです。地図や地域検索が使いやすく、不動産価格や地価のデータも載っているので、土地の購入や売却に最適です。
①不動産情報ライブラリ(国土交通省HP)
市街化調整区域を調べるもう一つの方法は、国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」です。
このサイトは市街化区域や調整区域を含む土地利用情報を簡単に閲覧でき、複数の市区町村にまたがる土地の情報も一度で確認できる便利なツールです。
不動産情報ライブラリ(国土交通省HP)の使い方はこちら↓
地図表示か地域検索を選びます。(今回は地図表示を選びます)
右上の「都市計画法」のタブを開いて「区域区分」「市街化区域」「市街化調整区域」にチェックを入れます。
すると区域区分が色分けされるので、調べたい土地が市街化調整区域に該当するかを確認します。
②市区町村の都市計画図で確認する
市街化調整区域かどうかの確認は、市区町村の都市計画図を使うのが基本です。これは市役所などで確認できますし、インターネット上でも公開している自治体が多くあります。
「〇〇市 都市計画図」と検索すれば、自治体のサイトで確認できる場合が多いです。例えば、名古屋市では以下のようなサイトで確認できます。
名古屋市都市計画情報提供サービス ※名古屋市HPより引用
このサイトで住所を入力し、市街化調整区域を示す色や線が使われているかを確認します。
↑名古屋市中川区水里付近(ほとんど市街化調整区域)を示していますが、凡例のとおり「紫色の斜線」で装飾されているエリアは市街化調整区域です。(ほとんど、市街化調整区域ということです・・・)
③マップあいち(愛知県HP)
愛知県内の都市計画情報を確認するには、「マップあいち」も利用可能です。市街化区域や調整区域のほか、土砂災害警戒区域や災害情報も確認できるため、愛知県内で土地を探す方には便利です。
市街化調整区域のメリットとデメリット
メリット
市街化調整区域には、多くのメリットがあります。まず、土地の価格が市街化区域よりも安いため、購入しやすい点です。また、維持コストも低く抑えられることが多く、自然環境が残っているため、静かな生活が送れるのも魅力です。
デメリット
一方で、市街化調整区域にはいくつかのデメリットもあります。建築や改築には制限があり、許可が必要なことが多いです。建物によっては売却が難しい場合があり、土地の売却も難航することがあります。
また、インフラが整備されていないことが多く、公共交通機関や上下水道の整備が遅れがちです。
調べた土地が市街化調整区域だった場合
調べた土地が市街化調整区域に該当した場合の次のステップについてご説明します。
家を建てたい
市街化調整区域で家を建てるには、ほとんどの場合で都道府県知事の許可が必要です。許可のプロセスは複雑なため、専門家に依頼することが一般的です。
ハウスメーカーに依頼する際は、「市街化調整区域で建てたい」旨を事前に伝えましょう。経験がない会社だと対応できない場合があるため、注意が必要です。
また、分家住宅や既存宅地の条件について事前に調べておき、相談時に確認することが大切です。
土地を買う方法
市街化調整区域での土地購入には、利用目的によって許可が必要です。農地の購入や建物の建築には特に注意が必要です。
建築のための土地購入の場合、許可がなければ建築ができないので、許可を取得した後に購入するのが一般的です。
土地を売る方法
市街化調整区域の土地を売る際には、その特徴をよく理解しておくことが重要です。市街化調整区域の土地は売却が難しいことが多いですが、静かな環境や低価格を求める特定の購入者を狙うことが大切です。
諦めずに、専門家や役所に相談することをおすすめします。適切な許可が取れれば売却できる可能性があります。
まとめ
市街化調整区域は市街化を抑えるために指定された区域で、建築が制限されています。この記事では、市区町村の都市計画図、不動産情報ライブラリ、愛知県の「マップあいち」を使った調査方法を紹介しました。土地の売買や開発を考えている方にとって、非常に重要なステップです。
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