愛知県の市街化調整区域で事務所を建築する方法は2つだけ!
本記事では、市街化調整区域で事務所を建てる際のメリットやデメリット、そして愛知県で許可を得る具体的な方法について解説します。
特に、既存宅地での事務所建築や、特定業種に限定された建築のポイントについて詳しく説明しています。
市街化調整区域とは
定義と目的
市街化調整区域は、都市計画法に基づき市街化を抑制する目的で指定された地域です。自然や農地を守るために、建物の建設は原則禁止されています。
この区域は、無秩序な開発を防ぎつつ、人々の生活環境と自然のバランスを保つために設けられています。
市街化区域との違い
市街化区域は、既に市街地として開発されているか、今後開発が進む地域です。このため、建築の規制は緩く、住宅や事務所の建設が可能です。
一方、市街化調整区域では厳しい建築規制があり、特定の条件を満たす建物以外は許可されません。例えば、一定の敷地面積や既存集落内での立地が必要です。
このように、両区域では開発や建築に対する規制が大きく異なります。
市街化調整区域で事務所を建てるメリット・デメリット
メリット
市街化調整区域で事務所を建築するメリットは、土地価格が安いことです。市街化区域に比べて初期コストが抑えられます。また、都市計画税がかからず、固定資産税が低めです。しかし、実際には安い土地を購入して事務所を建てるのは難しいです。
さらに、騒音が少ないため、静かな環境で業務を行え、自然に囲まれた職場環境は従業員のストレス軽減に役立つでしょう。
デメリット
一方、インフラ整備が不十分である可能性が高く、追加のインフラ整備費が発生することがあります。
また、生活利便施設が少ないため、従業員の通勤や生活の利便性が低下し、従業員の確保が難しくなるかもしれません。
さらに、市街化調整区域での「事務所」の建築が難しいことも大きな問題です。
愛知県の市街化調整区域で「事務所」が建築できる方法は2つ!
市街化調整区域での建築は制限が厳しいですが、条件を満たせば事務所建築も可能です。
愛知県では、1つの条件を満たせば事務所を建築可能で、さらに許可無しで建築できる方法が1つ、合わせて2つの方法があります。
1.既存宅地(審査会基準第17号)
愛知県で事務所建築を許可できる条件は既存宅地(審査会基準第17号)のみです。
分家住宅や特定用途の建築物しか建てられない区域で、事務所は例外的に認められています。
理由は、「事務所」では多用途に転用できるため、無制限な用途変更を防ぐためです。
既存宅地でのみ事務所建築が認められることを覚えておきましょう。
愛知県開発審査会基準第17号(既存宅地での開発や建築行為等)
事務所や倉庫などが対象です。ただし、建築基準法別表に定める条件を満たす必要があります。
引用:愛知県HP
既存宅地は市街化区域の土地と価格がほぼ同じため、安い土地を購入するメリットが失われます。田畑の転用での事務所建築も現在は原則不可です。
既存事務所の建て替えは可能
線引き前からある事務所であれば、同じ用途・敷地での建て替えが可能です。昭和45年以前からある事務所が売りに出ている場合、調査してみるとよいでしょう。
建て替えの相談は、行政書士や建築士、または建設事務所で行いましょう。
特定の店舗や業種は建築可能(都市計画法第34条第1号)
市街化調整区域でも、都市計画法第34条第1号に基づき、特定の業種に限り建築が可能です。以下に病院やコンビニ、飲食店の事例を紹介します。
これらの店舗は農地を転用して建築も可能です。
病院
病院は、公益性が認められるため、市街化調整区域でも例外的に建築が許可されます。
コンビニエンスストア
コンビニは住民の生活利便性を高めるため、許可を受けて建築が可能です。
飲食店
飲食店も、地域の生活利便性を考慮し、一定条件のもとで許可される場合があります。
市街化調整区域でも、特定の業種は例外的に許可を受けて建築可能です。これにより、地域住民の生活が向上し、快適な環境が整います。
まとめ
市街化調整区域で事務所を新築する方法は、2つしかありません。既存宅地での許可(審査会基準第17号)を受けるか、線引き前からの事務所の建て替えです。
特定のエリアで事務所を建てる場合、まず既存宅地や線引き前の事務所を探すか、業種が都市計画法第34条第1号に該当するか調べましょう。
許可の相談は行政書士や建築士に依頼するのが賢明です。
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